3月もあとわずか
穏やかな気候になりつつありますが年度末ともあって
仕事や家庭でも慌ただしいことも多々生じる季節でもありますよね。
そんな中で大多数の方々を悩ませている「花粉症」ですが
花粉症に悩む方々のうち
とりわけトラックやバス等の運転を仕事とする職業ドライバーはその症状とどう付き合っているのでしょうか
花粉症のトラック、バス、タクシーなどの運転手約300人を対象とした調査によると
90%以上のドライバーが 花粉症の薬を使用して業務にあたっていることがわかりました。
また 花粉症の薬を服用中に
「眠気やだるさを感じた」というドライバーは過半数を超え
「集中力や判断力の低下を感じた」は4割近くに上っていました。
つまり 過半数以上のドライバーは 薬の副作用によるパフォーマンスの低下を感じつつ
勤務している実態が浮き彫りになりました。
花粉症のドライバーは
花粉症の症状である突発的かつ連続性のあるくしゃみによる
ハンドルやペダルの誤操作
また 目の痒み等による視野の低下といった
運転に支障をきたす症状を抑えるために 治療薬を服用している方がほとんどです。
ドライバーにはどういった薬が適切なのでしょうか
抗アレルギー薬とは
アレルギーの初期反応である細胞から
アレルギー物質が出るのを防ぐ長期管理型の薬で
花粉症を起こしにくくしてくれます。
ただし、飲み始めてから効果が出現するまでに2~4週間ほどかかるので
花粉の飛び始める2週間程前から飲み始め、
シーズン中は飲み続けなければなりません。
即効性があるといえば 次に挙げる「抗ヒスタミン薬」になります。
日中、眠気を防ぎ、
労働や勉強の活動量を増やす効果がある「ヒスタミン」というホルモンがあります。
このヒスタミンによる活動量を増やす働きが
過剰に活発になると、痒みや鼻水などのアレルギー症状、
花粉症の症状が起こります。
過剰なヒスタミンの活動を抑えるために必要な薬が「抗ヒスタミン薬」になります。
この抗ヒスタミン薬は 効果を発揮する箇所が特定されているなど
種類は様々ですが、花粉症の症状を抑える効果があるとともに
眠くなる副作用もあります。
この薬が 脳に移行すると、脳内でのヒスタミンの働きを抑えてしまうことで、
集中力や判断力、作業効率などのパフォーマンスの低下が起こることがあり、
これを「インペアード・パフォーマンス」といいます。
インペアード・パフォーマンスは、自覚しやすい「眠気」とは違い、
本人が気づかないうちに生じることがあるため、
生活全般の様々な場面はもちろん
運転中にも影響がでる可能性があるのです。
インペアード・パフォーマンスが生じると、
鎮静作用によって神経の伝達が鈍くなり、眠気やだるさを引き起こし
ウイスキーの水割りを3、4杯を飲んだときのような状況になるそうです。
つまり ハンドルを握るドライバーにとって、
インペアード・パフォーマンスは 大事故と隣り合わせということになります。
抗ヒスタミン薬は、すでに起きてしまった花粉症のくしゃみ、鼻水や
目の痒みを止める効果は優れていますが
運転する際に薬を選ぶ場合は
副作用として「眠気」と「インペアード・パフォーマンス」が
生じないことが大変重要となります。
抗ヒスタミン薬でも脳へ運ばれなければ、
眠気やインペアード・パフォーマンスが起こりにくい薬があるので、
医師や薬剤師に相談し 運転に影響がない適切な薬を選びましょう。